HTTP/3とは、Webサーバとブラウザ間の通信処理をさらに高速化するため、従来のTCPに代わりUDPをベースにGoogleが開発した「QUIC」を利用した通信プロトコルで、2021年にインターネットの標準化技術として正式承認されました。今後普及が見込まれるHTTP/3について解説します。
HTTP/3の導入状況
全世界ウェブサイトの通信プロトコルシェア
※図表は米Q-Success社調査をもとに弊社作成
HTTP/3の国内導入シェア
日本の上場企業と非上場大手のサイトでは、HTTP/3導入シェア1.5%(55/4,059サイト)※ですが、今後増加が見込まれます。
※弊社調査
HTTP/3に至る通信プロトコルの変遷と対応
通信プロトコルの進化とモバイル通信環境の変化と対応
※図表は総務省電波政策2020懇談会報告書をもとに弊社作成
HTTP/1.1(1997年~)リクエスト処理 1個ずつ対応
- リクエスト処理性能低
- ヘッドオブライン(HoL)ブロッキング問題(※)が顕在化
- ※大きい画像のリクエストが発生すると、その処理が終わるまで次に進めず遅延の原因となる問題
HTTP/2(2015年~)リクエスト処理 複数同時対応
- リクエスト処理性能改善
- ヘッドオブライン(HoL)ブロッキング問題改善
- 接続時に毎回5回(※)の通信が発生するTCP+TLS(暗号化)の仕様が、モバイルユーザー急増によって課題が顕在化(モバイル通信では移動による切断、再接続が多発するため)
- ※「3 Way handshake」で3回+「TLS(暗号化)」で2回
HTTP/3(2018年~)接続時の通信回数削減、再接続時の通信発生無し
- GoogleがUDPベースの通信プロトコル開発(QUIC※)
- TCPを使わずにUDPを使う事で接続時の通信回数削減(5回→1回)
- 移動体通信時のIPアドレスやポート番号の変更に対応し、Webサイトへのアクセスが途切れにくい
- ※Quick UDP Internet Connections
HTTP/3の対応方法
HTTP/3は、多くのサイトで利用されている従来型のWebサーバ「Apache」では対応できません。NginxなどHTTP/3に対応したWebサーバ、またはHTTP/3が標準提供されるクラウドプラットフォームやクラウドCMSなどを利用する事で対応できます。
主な対応方法
- HTTP/3に対応したWebサーバ
- Nginx、マイクロソフト IISなど
- HTTP/3に対応したクラウドプラットフォーム
- Google Cloud Platform、AWS、マイクロソフト Azure など
- HTTP/3に対応したクラウドCMS
- Hubspot CMS、Kinsta(WordPress)など
- HTTP/3に対応したCDN
- CloudFlare、Fastly、Akamaiなど
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