ホームページリニューアルの進め方【期間・スケジュール・手順】

WEB

①ホームページリニューアルの検討

(想定期間:1ヵ月)

まずはホームページリニューアルの検討フェーズです。誰がいつ何をどのように検討するのかを明確にします。

ホームページリニューアルの主な検討内容

  • ホームページリニューアル検討委員会
  • ホームページリニューアルの時期
  • ホームページリニューアルまでの期間とスケジュール
  • ホームページの現状把握
  • ホームページの課題整理
  • コンサル導入の検討

ホームページリニューアルの検討委員会

ホームページリニューアルには、社内の多くの部門が関係します。
広報が主幹のケースが多いですが、営業部門やマーケティング部門、人事やサポート部門など、ホームページの多様なステークホルダーに関わる部門を横断し、検討委員会を編成する企業が標準的です。

  • 迅速な判断や意思決定の可能な責任者を決める
  • コンテンツオーナーと素材収集や原稿作成の協力的な体制を敷く
  • 人数は10名以内におさえる方が望ましい
  • グループ企業を含めた編成の必要性も考慮する

ホームページリニューアルまでの期間とスケジュール、公開時期

ホームページリニューアルの検討からプロジェクトのスタートまでは半年程度かかるケースが多くなります。公開希望時期から逆算してスケジュールを策定しておく必要があります。

  • 予算申請のタイミングを考慮する
  • 公開時期に制約がある場合は注意する(企業統合や社名変更等)

ホームページの現状把握

ホームページには多くの人や業者やシステムが関係しています。ホームページリニューアルの検討にあたり、現在の状況を整理し把握することから始めましょう。

ホームページの主な把握内容

インフラネットワーク構成、サーバー構成、ドメイン、管理・契約形態など
システムCMS、フォーム、開発業者、利用者、連携など
コンテンツサイトマップ、更新頻度、オーナー部門など
運用・保守運用体制、保守内容、費用、関係業者など

ホームページの課題整理

アクセス解析やGoogle Search Consoleなどで、ホームページの定量的な利用実態や品質面の課題を把握しておくことをお勧めします。
ホームページの定性的な意見の集約として、アンケートなどで要望や意見を収集する企業も多いです。

  • ホームページの利用実態を把握
  • ホームページの品質の課題を把握
  • ホームページの要望や意見を整理

Webコンサルの導入

ホームページリニューアルは年々高度化し複雑になっています。社内で課題の整理や本質を把握し、戦略に落とし込むことが困難な場合は、外部の専門コンサルタントへ依頼するケースも増加しています。

  • 予算申請のタイミングを考慮する
  • 公開時期に制約がある場合は注意する(企業統合や社名変更等)

②ホームページリニューアルの費用・納期の試算準備

(想定期間:2ヵ月)

ホームページの現状や課題の整理を行った後、ホームページリニューアルにかかる費用やスケジュールの試算が必要になります。

ホームページリニューアルの費用・納期試算の準備内容

  • ホームページリニューアルの範囲
  • ホームページの対象デバイス
  • ホームページの対象言語
  • ホームページのボリューム
  • ホームページの導入システム
  • ホームページのサーバー・インフラ環境条件
  • ホームページの品質条件
  • ホームページの素材とボリューム
  • ホームページリニューアルの希望納期
  • ホームページリニューアルの概算見積業者の選考

ホームページリニューアルの範囲

ホームページリニューアルに関係するホームページは一つとは限りません。リニューアル対象とする範囲を明確にしていきます。

  • リニューアル対象コンテンツの明確化
  • ホームページに必要な機能の明確化

ホームページの対象デバイス

最近では企業のホームページでもモバイル利用がPC利用を上回るケースが大半です。PC・モバイルなどの対応デバイスとあわせ、OSやブラウザのバージョンなどの指定によって費用が変動します。

  • Windows7やIEはサポート終了が近いので対象から外していく
  • 自動アップデートのブラウザが多数派のため制作時点の最新版が主流

ホームページの対象言語

リニューアル対象とする言語を指定します。業界や事業により力の入れ方は異なりますが、あまり言語を増やしすぎるとメンテナンスに手が回らないケースが多くあります。

  • Chromeブラウザの自動翻訳機能があるので対応は考慮する
  • 機械翻訳の導入は誤訳によるトラブルを考慮し慎重に判断しよう

ホームページのボリューム

リニューアルするホームページのボリュームについて、コンテンツの増減を加味した数量で算出します。想定サイトマップを提示し、ボリュームに関する認識のずれを無くします。

  • ドメインやカテゴリ単位でコンテンツを整理し、ボリュームを算出
  • 想定サイトマップにより認識の相違を排除

ホームページの導入システム

現状利用している機能やシステムをどうするかと、新規にどのようなシステムの導入を希望するのかを明確にします。

ホームページの主な導入システム

コンテンツ管理ニュース、事例、商品、FAQ、IR、求人など更新対象ごとに提示
問い合わせ管理対応部署・フロー、管理機能など対象フォームごとに提示
検索システムサイト内、商品、店舗、実績、FAQなど検索対象ごとに提示
その他アクセス解析、マイページ、シミュレーション、株価表示など

ホームページのサーバー・インフラ環境条件

現状のネットワーク構成図を準備し、現状のサーバーやネットワークの利用か乗り換えるかを検討します。

  • 現状のネットワーク構成図を準備
  • サーバー移管の検討
  • CDNなどコンテンツ配信方法の検討

ホームページの品質条件

データ品質に関わる条件を明示します。特にアクセシビリティは、対応レベルによって制作や検証の費用が大きく変化します。

  • アクセシビリティへの対応方針
  • グループガイドラインの提示

ホームページの素材とボリューム

翻訳・ライティング・撮影・イラストなど、テキストやイメージ素材などの対象となるボリュームを想定します。

  • 自社で別に手配して支給する企業も多い
  • 数量が特定できない場合、素材用の予算枠を確保しておく

ホームページリニューアルの時期(希望納期)

ホームページリニューアルプロジェクトの開始時期や公開時期の希望があれば指定します。余裕を持ったスケジュールを計画段階では行うことをお勧めします。
4月は公開が集中し、制作会社のリソースが不足し品質や納期に問題が発生しやすいため、できる限り公開時期を避ける方が無難です。

直近3年の主要企業サイトリニューアル公開月/1月:9.6%,2月:5.2%,3月:10.8%,4月:21.8%,5月:6.2%,7月:6.6%,8月:7.3%,9月:3.7%,10月:12.1%,11月:4.7%,12月:6.6%
  • 大半のホームページリニューアルプロジェクトは最初の納期から遅れる
  • 3月末~4月のホームページ公開は多くの企業が希望するので避ける

ホームページリニューアルの概算見積業者の選考

ホームページリニューアルの費用試算のための条件が整ったら、概算見積りを依頼する業者を選定します。既存の取引先や新規の検討候補から複数の業者に依頼します。

  • 依頼業者の企業規模の把握
  • 依頼業者のホームページリニューアル実績の把握

③ホームページリニューアルの費用と納期の試算依頼

(想定期間:1ヵ月)

ホームページリニューアルの試算を依頼する業者の規模やメインとする業態によって費用や納期の算出の仕方が異なります。できるだけ要件を指定し、依頼することをお勧めします。

  • ホームページリニューアル費用の共通項目を指定
  • 前回ホームページリニューアルの費用・納期は参考程度に

④ホームページリニューアルの予算申請

(想定期間:1ヵ月)

ホームページリニューアルの費用と納期の試算をもとに社内予算申請を行います。予算申請時期や方法は企業により異なるため、タイミングを想定しておきましょう。

  • ホームページリニューアルの予算申請を予めスケジュールへ設定
  • ホームページの追加要望や仕様変更に備え、費用・納期は2割増しで申請

⑤ホームページリニューアルの目的と方針策定

(想定期間:3ヵ月)

ホームページリニューアル実施の予算承認がおりたら、具体的にリニューアルの方針を策定していきます。外部のコンサルタントに依頼する場合は、コンサルタント主導で行われます。

ホームページリニューアルの目的と方針の策定内容

  • ホームページの課題抽出
  • 競合他社のホームページ調査
  • ホームページリニューアルの目的・目標
  • ホームページリニューアルの要件

ホームページの課題抽出

ホームページリニューアル検討時に実施した課題抽出をさらに深堀りします。ターゲットやステークホルダーごとの課題抽出や、関係部門の意見や要望を踏まえた上での課題など、リニューアルによって目指すべき姿を見据えていきます。

  • 社内視点よりもユーザーの視点を重視する
  • 現状の運用体制やリソースに引きずられすぎないように課題をあげる

競合他社のホームページ調査

競合他社との比較調査により、自社ホームページの課題をより浮き彫りにします。同業に参考になる企業がいない場合、海外も含めたベンチマークやベストプラクティスと比較するケースもあります。

  • 事業の競合とWebでの競合は異なる場合もある
  • ターゲットに近い被験者によるユーザーテストを実施する企業もある

ホームページリニューアルの目的・目標

自社や競合の調査結果や経営計画などの内容を踏まえたうえで、ホームページリニューアルにおける目的と目標を設定します。KPIと呼ばれる指標を明確にし、ホームページリニューアルの効果検証を実施できるようにします。

  • 現状サイトの課題を整理
  • 課題の解決策をまとめる
  • 目的と数値目標の明確化

ホームページリニューアルの要件

ホームページリニューアルの目的を達成するために必要と考える要件を整理します。提案を依頼するにあたっての前提条件などを明確にしておく必要があります。

ホームページリニューアル要件の検討事項

コンテンツ要件新規作成、既存流用、移行・削除などの要望や提案希望など
デザイン要件デザイン要望、VIマニュアル・ガイドラインなど
インフラ要件現状ネットワーク構成の提供と今後の意向など
機能・システム要件データの内容や量、利用者・環境、想定フロー、要求の優先順位など
運用要件作業内容、依頼・確認方法、作業環境、運用体制など現状と意向など
品質基準アクセシビリティ対応レベル、パフォーマンスなど利用品質の基準など
スコーププロジェクトの範囲を明確化。作業範囲、対象範囲など
ロードマッププロジェクト開始までと公開までの大枠の流れ。フェーズや公開後の計画も
予算初期費用、ランニング費用など。目安や上限の提示

⑥ホームページリニューアルのRFP(提案依頼書)作成

(想定期間:2ヵ月)

ホームページリニューアルの方針や要件をRFP(提案依頼書)へまとめます。記載内容によって提案が大きく変わりますので、意図を明確にしたRFPにする必要があります。

 RFP作成支援サービス

企業ホームページリニューアルにおける25年以上の実績と経験を凝縮したRFPのサンプルをもとに、貴社に必要な要件の整理をお手伝いします。お気軽にご相談ください。

⑦ホームページリニューアルのオリエン/プレゼン

(想定期間:1.5ヵ月)

ホームページリニューアルのRFPをもとにしたオリエンテーションを実施し、提案のプレゼンテーションを開催するのが一般的です。

  • オンラインで開催 or リアル会場で開催
  • 合同オリエン or 個別オリエン
  • 自社の参加メンバーの選定
  • プレゼン業者の参加人数の設定

⑧ホームページリニューアルの業者選定

(想定期間:1ヵ月)

ホームページリニューアルの企画書、提案内容、企業実績等の比較や検討を行い、委託先を決定してからも、契約条件の調整や手続きなどに思いのほか時間がかかります。

  • 企画書/提案内容の評価
  • 制作実績ホームページの評価
  • 取引先(発注元)からの評判
  • 企業規模・業績など、企業としての信頼性

⑨ホームページリニューアルの制作・開発期間

(想定期間:Xヵ月)

ホームページリニューアルの制作期間はリニューアル規模によって数か月から長い物では1年以上に及びます。また納期は、当初の計画からはずれる傾向が強く、ほとんどは社内の原稿作成や素材収集、確認期間の遅れによるものです。プロジェクト体制設計が重要になります。

ホームページリニューアルの進め方に関するQ&A

  1. ホームページの定期的なリニューアルに必要性はありますか?

    数年ごとに定期的なリニューアルが必要です。ホームページの技術や対応デバイス、デザインのトレンドなどが、2年~3年で変わるためです。
    参考:コーポレートサイト制作の事例とトレンド

  2. ホームページリニューアルのタイミングは?

    前回のリニューアルから3年~5年後のリニューアルが通常です。コーポレートサイトの場合は、約66%が6年以内にリニューアルされています(当社調べ)。さらに、品質や納期などのトラブルを防ぐために、4月の繁忙期に公開が重ならないスケジュールが重要になります。
    参考:コーポレートサイトのリニューアル周期は?

  3. ホームページリニューアルの予算費用はどのくらい必要ですか?

    ホームページの規模・機能・内容によって大きく異なりますが、平均的な上場企業のホームページ(100~300ページ)で500万~1000万円ぐらいの予算は確保すべきです。小規模なホームページでもデザインやセキュリティなど品質を重視すれば相場は上がります。
    参考:ホームページ制作費用・相場と納期

  4. ホームページリニューアルでURLを変える必要がありますか?

    ホームページをリニューアルしても、ドメインの引き継ぎは問題なく行えるため、今までお使いのURLは新しいホームページで利用が可能です。URLを変更することで、これまで積み上げてきた被リンクの価値が失われるリスクが生じるため、特別な理由がない限りURLの変更は避ける方が無難です。

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