Web制作会社の失敗しない選び方

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Web制作会社選定の失敗事例

Web制作会社の選定が適切か否かは、サイト構築プロジェクトが始まってみなければ分かりません。十分な準備や検討期間を経ないまま進行し、失敗に終わった事例が少なくありません。

■Web制作会社への不満は発注後に

Webサイトの構築は注文住宅の建築によく似ています。家を建てるためには、いろいろな要求を整理し、適切に業者に伝えることが必要です。ほとんどが初めての経験の場合が多く、依頼の仕方や業者の選定基準もわからず、依頼する業者を慎重に選んだつもりでも、実際に建て始めてから認識の相違や想定のずれが判明し、住み始めてからも、住みにくい・寒い・暑い・欠陥や不具合の発生など、業者とのトラブルや家への不満が出ることが多くあります。Webサイトの構築も、制作開始後や運用開始後にトラブルや不満が続出することも少なくありません。

【 家を建てるために一般的に必要なこと】
  • 予算
  • 納期
  • 間取り
  • 広さ
  • 外観
  • 内装
  • 設備
  • 仕様
  • 住宅性能

  • 家族構成
  • 持ち物
  • 立地/環境
  • 生活スタイル
  • 気候
  • 設計
  • 構造/工法
  • 材料/材質
  • 法規/法令

どんなに安くても、どんなにかっこよくても、快適で安心して暮らせる住みやすい家でなければ満足につながりません。そのためには、適切な業者選びが何よりも重要になり、Webサイト構築も同じです。

■Web制作会社の選定も難しい

家は何十年も住む前提ですが、企業のWebサイトは平均5年周期でリニューアルが行われます。一般的な企業では人事異動もあり、担当者が初めてリニューアルを経験することが大半です。
担当者が専門知識を持つケースは少なく、予算・納期・性能・品質・仕様・デザイン・コンテンツ・システム・サーバーなど、多岐にわたる要求をまとめ業者に提案を依頼し、信頼できるパートナー選びを行うことは非常に難しくなっています。
そこで、選考基準や採点表だけでは判断が難しい、Web制作会社選びでの具体的なトラブル例や、その回避方法を企業担当者の生の声と当社の経験をもとにご紹介します。

①見積が格安のWeb制作会社選定の実態

提案時の価格が安い業者へ発注して、当初の見積通りに完成するのが理想的ですが、はたして現実はその通りにいくのでしょうか?

当初の見積からWeb制作価格が高騰!

当初の見積から最終的に大幅に金額が増えるケースは非常に多いです。提案時は安く見せるための「工夫」や業者にとって都合の良い見積条件の「解釈」などで惑わされ、最終的に価格が上がりやすい傾向があります。

  • 当然付いていると思った機能が漏れていた
  • 速度やアクセシビリティなど達成基準が曖昧だった
  • チェックの工程など想定以上に割愛されていた
  • セキュリティの配慮が想定より低い設定だった
  • 一式に含まれると思ったが後から出来ないと要求がきた
  • 他社よりも数量や工数が過少に見積もられていた
■見積によるWeb制作会社選定の失敗事例
  • 商品検索システムで当然実現されると思っていた機能が想定されておらず、当初の見積から2倍近く高騰した(某メーカー)
  • モバイル対応を依頼したが、検証がiPhoneだけだったためandroidで不具合が多く、検証に2機種を追加して100万近くかかった(某食品会社)
  • 申込フォームの開発でセキュリティへの配慮をお願いしていたが、システム部門に脆弱性を指摘され、フォームの改修に倍の費用がかかった(某小売業)

②納期が早いWeb制作会社選定の実態

同じような提案でも、業者間で納期に差が出るケースが多くあります。短期間で公開できるのは魅力ですが、そこにリスクは無いのでしょうか?

Webサイトの納期(公開)が大幅遅延!

人件費や作業時間にそこまで業者間の違いはありません。現実的な工程設計、リスクの想定、品質の考え方、実現可能なリソース確保など、経験やノウハウをベースに現実的な積算か、アバウトで感覚的な積算かに差が出やすい傾向があります。

  • 実際に仕様を詰めると想定が甘く、納期に影響
  • 当初から要求していた機能の漏れで納期見直し
  • 原稿編集や素材収集の時間が短すぎる
  • 作業のタイミングになりリソース不足で納期遅延
  • 成果物の品質が低く、修正で納期が大幅延長
  • 確認・検証の期間が異常に短く設定されていた
■納期によるWeb制作会社選定の失敗事例
  • 他の業者は3月中公開は難しいと言っていたが、大丈夫と提案した業者に依頼。結局は2ヵ月公開がずれ込んだ(某金融業)
  • 実際にプロジェクトが始まると、約束通りに成果物があがってこない。こちらから催促すると、リソースが不足と言われ作業期間が倍になった(某交通系)
  • HTMLの統一もバラバラで誤植も多数見つかった。当初から短い確認期間であったため修正で1ヵ月も余計にかかった(某サービス業)

③企画が良いWeb制作会社選定の実態

分析もしっかりしていて、企画やプレゼンテーションもばっちり!しかし、実際にプロジェクトが始まってみると…

Webサイト企画の理想と現実にギャップが!

プレゼンの時に感じた魅力的な提案も、実際に理想通りに仕上げられるとは限りません。メンバーの実力不足もありますが、技術面や予算面での実現性が企画に考慮されていない場合もあります。

  • プレゼンは良かったが実際の体制には不安が
  • 斬新な企画だったが実現には技術的な課題が噴出
  • 最初に提案された目標がかなり現実離れしていた
■ 企画によるWeb制作会社選定の失敗事例
  • プレゼン自体は魅力的だったが、実際に携わるプロジェクトメンバーは頼りない感じで不安になった(某金属会社)
  • 企画を詰めてみると実現には技術面の課題があり、提案時の想定が甘く、結局は予算も納期もおさまらないことが後に判明した(某食品会社)
  • 大きな集客向上を提案され、経営層にも好評なプレゼンだったが、実際は言ったほどの成果がほとんど出なかった(某繊維会社)

④デザインが良いWeb制作会社選定の実態

個性的で斬新なデザインが魅力的な提案だったが、実際のプロジェクト進行やできあがったものの評判は…

デザインが良くても使いにくいWebサイトに!

Webサイトはユーザーに利用されるメディアであり、デザインの良さと評価の高さが一致するとは限りません。見た目も大切ですが使いやすさやわかりやすさなど、機能的で利便性を考慮したデザインかどうかを見極める必要があります。

  • デザインの修正要望を一方的に拒否された
  • 出来上がったデザインの表示が遅く、不満が出た
  • 見た目はかっこいいが利便性の評価が低い
  • 見た目が重視された結果、検索からの集客が低下
  • モバイルでの動作が重く、問い合わせが減少
  • デザイン性が重視されすぎてアクセシビリティに不備
■デザインによるWeb制作会社選定の失敗事例
  • デザイン評価の高い業者に依頼したが、こちらからのデザイン要望を高圧的な態度でまったく聞き入れてもらえなかった(某サービス業)
  • モバイルでも動画や大きい画像をふんだんに使った結果、重い・遅い・使いにくいと不評。直帰率もリニューアル前より悪化した(某製薬会社)
  • デザインのぱっと見はかっこよくなったが、必要な情報にたどり着きにくく、問い合わせが3割減少した(某石油化学系)

⑤大手に期待したWeb制作会社選定の実態

大企業なら何かあっても安心と、プロジェクトを任せる選択をする場合もあります。人材もそろっているし、ノウハウもあると思っていると実際は…

Web制作関係者が多すぎて役割が不明確に

総合広告代理店、SI会社、印刷会社、コンサルティング会社など、Webサイトを本業にしていない企業へプロジェクトを依頼する場合、下請業者が複数参加するチームの場合がほとんどで、参加する人数も多くなりコミュニケーションや役割分担等に配慮が必要です。

  • 質問や相談が複数社へ確認され回答に時間がかかる
  • 関係者が多く、窓口や役割分担があいまいに
  • 大企業へ依頼したがWebが専門外で力不足
  • ちょっとした依頼も見積対応が遅く高額に
  • 複数の業者が絡むため調整や段取りが煩雑
  • 仕様や品質の統一にバラツキが起きやすい
■大手Web制作会社選定の失敗事例
  • 窓口の企業がWeb専門ではないせいか、質問の回答もその場で出せないことが多く、コミュニケーションに支障があった(某通信業)
  • 1時間で終わるような修正の見積も、数日待たされてしかも数十万円という高額。納期も費用も妥当性がなかった(某インフラ系)
  • 公開してから集客が急減し、原因究明していくと責任の所在が不明確で、復旧まで1年以上かかった(某不動産業)

Web制作会社選定の課題

RFPでWebサイトの要件や仕様を正しく伝える

ほとんどのトラブルは、発注元と業者間の認識の齟齬から始まります。自分たちの作りたいサイトを業者へ正確に伝えられるRFP作成こそ、もっとも効果的な対策です。

見積はWeb制作の条件や項目を指定し詳細まで要求

業者によって見積もる条件や項目がバラバラになりがちです。業者間の比較をしやすいような見積依頼を行い、積算の根拠に差が出ないようにします。一式などの不明瞭な見積にならないように、前提条件もできる限り詳細に要求しましょう。

要件やリスクをWeb専門業者への相談等で事前に明確化

システムやデザインだけでなく、テクノロジーやマーケティングの進化も非常に速く、要件や仕様などが複雑化しています。Webの専門業者に、事前に必要な要件や盛り込むべきリスクなど、余裕をもって相談しておきましょう。

提案の実現が可能な制作会社か実績や取引先の評判から判断

業者の実績からデータの品質や使いやすさへの配慮などのチェックを行い、提案を実現できる実力が本当にあるかを現物で確認しておきましょう。また、業者の他の取引先にも実際に連絡し、対応面などの評判を確認することで、提案ではわからない実態を把握しましょう。

企業としての信頼性を制作会社の訪問・見学等で評価

企業としての信頼性や実態は、現場を訪問し見学することである程度判断できます。5Sが行き渡っているか、特定の人の能力に依存した体制ではないか、作業や工程を標準化した組織的な対応かなど、安心して任せられる企業かどうかを実際に現地を見て見極めておきましょう。

Web制作会社選定に関するQ&A

  1. Q1 Web制作会社のランキング情報は信頼できますか?

    A1 ネットのランキング情報は、サイト運営会社の独自の基準や見解で選考されていたり、広告枠として有料掲載となっていることが多いため参考程度に留めておく方が無難です。

  2. Q2 おすすめのWeb制作会社が探せるWebサイトや記事はありますか?

    A2 商品を宣伝するためのタイアップ記事や有料で業者を紹介するマッチングサイト等も多く、最適なWeb制作会社を探すことは困難です。Webの専門業者に相談したり、Web制作会社を客観的に評価することが大切です。

  3. Q3 Web制作会社の料金や料金表が各社で違っているのはなぜですか?

    A3  料金や料金表は各Web制作会社の平均的な対応サイトから想定されていることが通常ですが、対応可能なサイトの規模や機能は各社で異なるため料金も様々になっています。

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